骨肉腫に拠る足の切断を控えたハインリッヒ・ポポフ(9才)のもとに、一人の男性が見舞いに来た。
「また、何でも出来るようになるよ。 ただ、他の人より少しだけ努力しないといけないけどね・・・」
と言ってズボンのすそをたくし上げて、自分の義足を見せた。 その彼の名はアルノベッカー、パラサイクリング・インディビジュアルタイムトライアル‐ドイツチャンピオンだった。
やがてハインリッヒ・ポポフは、
「私は障害が在るにも拘らずスポーツをするのではありません。 障害が在るからスポーツをするのです。 スポーツのお陰で、毎日の生活で障害を感じることが在りません」
と言えるまでになり、義肢装具士の資格を取り、2012年ロンドン大会100mで金、2016年リオデジャネイロ大会走り幅跳びで金を取り2018年に引退。 現在パラ陸上日本代表チームのコーチなのだ。
そのポポフがNHKBSTV番組「パラ陸上・奇跡のレッスン」(再放送)で、全国から選ばれた6人の義足の子供たちの走り方を指導した番組だったが、1週間の授業にも拘らず子供たち一人ひとりが納得し、日増しにせいちょうしたドキュメンタリー番組だった。
その中に、鹿児島で剣道で頑張っていたにも拘らず骨肉腫で2年半前に手術、義足の生活になり、将来に希望を無くし内向的になっていた娘が参加していた。 両親の薦めだったろうが、本人も「100m走りたい」との目標を持ち参加、最終日の「100m走」では最後まで転ばずに32秒で走り抜けたのだ。
「こうして使用すると転んでしまうので、このように使用しましょう」
義足の使用方法は教わるが、自分の足として上手な使用方法としてのトレーニングは無い-のだ。
ポポフは同じ体験から、
① 義足の足も健常の足と同様に筋力を付ける(プール内で義足を外して歩く練習で、両足筋肉のバランス感覚を覚える)
➁ 正しい腕振で、前進姿勢バランス感覚を知る
「こうするとこうなる・・・」人は不安が先に立ち、努力して不安を解消することを諦め、避けようとする。 そのことがその歩との人生を狭めているのだ。
話は変わるが、新型コロナウイルスの感染者が出ない地方が在る。
「鳥取県」「島根県」「岩手県」の3県だが、対策は大変だろうな・・・
過日、松江の島田先生から「俺のところは感染者が居ないんだぞ!」と電話が入ったが、「まあ、それだけ過疎地だと言う証明なんでしょうけど、外との交流が無くても生活が成り立っている証明でも在るんですよね・・・」
0コメント