「マゴチです・・・」
何時ものように、大葉の上に刺身が乗った小皿が出されると、店主がサラっと言った。
マゴチ⁉ 大分前になるが、草津から妙高を抜けて北陸自動車道に出て米山ICで降り、国道8号線を柏崎に向かって走ると日本海鮮魚センターが在り、建物の隅に寿司屋「寿司健」が在った。
当時はマスコミにも乗るようになっていた店で、入ると決まって、「地魚をお願いします!」
すると、必ず大将が店内から出て来て「ネタ書き」の説明をしてくれたのだ。
その夏の旬にはオール白身魚で8品だったかと思うが、確かに「マゴチ」が在った。
コリコリし甘味のある美味しい寿司だった思い出が在る。
その「マゴチ」と言う言葉が、今日聞けたのだ。 其れもサラっと・・・
実はマゴチは高級魚で、都内では高級料亭で無いと食べられないシロモノなのに、サラっと出て来てしまう・・・
僕は食べることしか出来ないのだが、マゴチは特異な魚で、下処理するにしてもさばくにも大変らしいのだ。
通常であれば、料理する人の大変さは値段に反映しているのだが、
「娘が釣って来たので・・・」
何時もの料金しか取らない-
料亭で無くても、魚体だけでもキロ当たり4,5千円はするので、小皿でも数百円だろう・・・
ここに来る客の多くは女性で、「美味しかった!」のひとことで料金を払って帰る。
みんなの「憩いの場」なのだろうか?・・・
其れも、悪くは無いんだろうが・・・料理をほとんどやらない僕にとっては、食材やら料理の過程を聞きながら、有難くいただく・・・
日々料理・調理をしている女性客は、その辺のことを分かって・・・「楽をして食べられる時間」を楽しんでいるのだろうか・・・
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