昼飯を食べに「山富貴」へ行くと土曜日と言うのに先客は2組だったが、スズムシの音が直ぐに聞こえた。
家のスズムシは夜しか鳴かないが、「山富貴」の客ホールはスズムシにとって居心地が良いのだろうか-それとも自分の役目を気付いたのだろうか-判らぬが、「リーンリーン・・・」と声高に鳴いているので「お役に立って良かった!」と内心思って先客の会話に暫く注意していたのだが、後続の客からもスズムシの話題が出て来ないのだ。
(スズ)ムシの音が身近な客なので無関心を装っているのかナ・・・それとも雑音としか憶えなくなったのかナ・・・
「山富貴」から「ほっと」に行き、コーヒータイムを終えて車に乗ると、「久米宏・ラジオなんですけど」と言う番組に元厚生労働事務次官の村木厚子さんが出演した。
村木さんは厚労省社会援護局障害保健福祉部企画課長時代、部下が加担したニセ証明書に因るダイレクトメール料金事件の捜査担当部署であった大阪地検特捜部からの呼び出しに、身に覚えのないことであり参考人として応じようと大阪に出向くと、逮捕状が突然出され留置の身となったのだが、担当弁護士との連携で、「逮捕理由に虚偽がある」ことを掴み逮捕から5か月後に釈放され、裁判の結果「無罪」を勝ち取った経験者だ。 所謂冤罪事件だったのだ。
又、村木さんは高知大学文理学部経済学科卒の労働省キャリアで、東大出身の男性キャリアが多い中央官僚の中では地方(国立)大学出身で労働省出身が少ない厚労省では異彩の存在だった。
この事件は自称障碍者団体「凛(りん)の会」事件と言われ、村木さんを虚偽逮捕した大阪地検特別捜査部長だった大坪弘道は証拠隠滅罪、副部長佐賀元明は部下の前田の証拠改ざんを隠したとして犯人蔵匿罪が確定した。
事件終了後村木さんは(厚労省の)大臣官房付に復職した後内閣府に出向し、その後厚労省4人目の女性事務次官となったのだが、「部下に公印を使われた上司」としての責任として、部下の有罪確定を受けて訓告処分を受けた。
冤罪のヒロインとなった村木さんを事務次官に登用した安倍首相だが、財務省エリートたちの反発を食らい、「厚労省が所管する『年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)』が持つ年金基金(約130億円)の株式運用を大幅に増やす」ことで、財務省と内閣の思惑が一致、財務省主導官僚体制が確立した。
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