僕が住む隣町に団扇の製造工房が在る。
「しまの」と言い、現在の当主は5代目で、越生(おごせ)のウチワは江戸時代から家内産業として起こり、最盛期の明治時代は50店舗以上の工房が出来、年間240万本も製造されたそうだが、現在では「しまの」1軒だけで、今日立ち寄ってみた。
「越生うちわ」の特徴は、柿渋を塗った「渋うちわ」で、柄と肩骨が一文字になった「一文字ウチワ」なので、丈夫で実用的なのだ。
材料の竹は、「梅園」地域の真竹を使用するのだが、竹も1本1本違いが在り、
「切って見なければ、(しまのの団扇に)適しているかどうか判らない」と店主。
骨組みを紙ひもで編み込んでいるのだそうで、その位置に因り
「腰が強く、強い風が送れる団扇となり、焼き鳥屋、ウナギ屋で使うのに、手のひらに当てた音の良さと破れなく実用的だった」ので、流行ったらしい。
現在に残る団扇の3大産地は、丸亀(団扇)、京(団扇)、房州(団扇)だそうで、房州団扇に使用する竹は「女竹(めたけ)」と言う篠竹で、丸亀うちわは真竹や破竹を使って1本の竹で柄と骨組みが作られているのが特徴。
京団扇は竹細工で有名な丹波の竹を使用するのだそうだ。
だから、京団扇は細い竹ひごを50本以上並べて「立て」いわゆる「筋」も5つ以上使い、柄をつけるのだが、最上級では骨が100本以上のものが在るのだそうだ。
名品の京団扇は素晴らしいだろうが、子供の頃から使用する「おごせうちわ」は実用的で良い。
今年も、来月20日から22日までの3日間、「熊谷のうちわ祭り」が行われる。
最終日の22日は、12基の山車・屋台が「曳っ合わせ叩き合い」する絢爛豪華な関東一の祇園祭だ。
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