昨年春頃から、我が町に3軒目の「いちご農園」が立ち上っていたので、「山富貴」で昼飯を食べ終えてから寄って見た。
県道から田圃道に少し入った耕地に建てられた、パイプ製の農業用ビニールハウス。
田圃道を入って行くと、駐車場らしき空き地に数台の車と「いちご直売中」の看板が在り、工事人らしき人が工事現場に数人居たがイチゴ農家らしい人が見当たらず、仕方なくビニールハウス内に入ろうかと思いながらハウスの出入り口に向かうと、人の気配のするビニールハウスに気付き、中に入ると「直売所」だった。
「今、事務所兼直売所を建造中ですので、解り難かったかと思います」とのこと。
名乗り、事情を説明すると、
「私と主人は飯能市から通って来ています。 主人の親は鹿児島出身で、販売しているイチゴは『緋色の実』と言う新しい品種です」とのこと。
借金していちご農園を始めたとは聞いていたが、1軒目は鶴ヶ島出身の田中氏が経営する「苺の里」で、今では奥さんが経営するスイーツ店が繁盛していて、2軒めは葛貫地区の「じょうもんファーム」。 秩父の農園で修行し、「弥生姫」「紅ほっぺ」「よっぽし」「恋みのり」「かおり野」などのイチゴ狩りが楽しめる店だ。
3軒目は農園名の表示が無かったが、IPM(Integrated Pert Management)農法を取り入れ、品種を絞った営農なのだ。
IPMと言う農法は、利用可能な全ての防除技術(耕種的防除、物理的防除、生物防除)の経済性を考慮しつつ総合的に講じることで、病害虫・雑草の発生を抑える技術なのだが、一方で人に対する健康リスクの軽減、生態系が有する本来の病害虫・雑草への抑制機能を引き出すことが可能になるのだ。
具体的に言うと、
耕種的防除として、病気や虫の被害を受け難い品種を利用する、接木した苗を利用する、健全な種子を使用する、排水対策をする、適度な施肥管理を行うこと。
物理的防除としては、太陽熱を利用する(太陽熱消毒、土壌還元消毒)、ネットや背丈の高い植物で覆う又は囲む、害虫の嫌う波長の光を当てる、一定期間の散水を行うこと。
生物的防除としては、害虫を捕食する害虫に寄生する天敵を使う、天敵が集まる植物を利用する、害虫に寄生する微生物を利用する、病原菌と競合する微生物を利用すること。
化学的防除としては、
天敵(益虫)に優しい農薬を使う、観察や予察に基づく必要最低限の農薬を利用することだ。
イチゴには「ハダニ」と言う害虫が着くので、「ハダニ」を捕食する「チリカブリダニ」と「ミヤコカブリダニ」と言う天敵を利用するのだ。
それにしても、地元の人たちはなぜチャレンジしないのだろう・・・
0コメント