どうして? なぜ?

 産卵のために、母なる川へ回帰する「鮭」。  

江戸時代、村上藩にとって「鮭」は大事な収入源だったのだが、年々不漁となり、藩の財政が窮乏になった折り、一介の藩士青砥武平治が藩主に直言・進言したのだ。

「鮭には回帰性が在ります。 今まで、獲れるだけ獲っていたので鮭が激減したのです。 三面川に、鮭が産卵し易いように人工の分流をつくりましょう!」

江戸時代、例え正しい意見、妥当な意見で在っても、一介の士が殿様に進言すれば切腹を命ぜられることも在った時代、三面川のサケを観察していた青砥武平治の意見は藩主を動かした。

三十年に及ぶ大事業の結果、鮭の漁獲量が復活したのだ。  世界初の養殖事業の成功だった。

故に村上では、サケを調理する際は、鮭のお腹の全部を取り出さず一部を残すこと-が仕来たりとなったと言う。

 例えば「シロ鮭の回遊」だが、春に日本を出た鮭は8月から11月くらいまでオホーツク海で過ごし、12月頃にオホーツクから太平洋に出て冬を越し、更に夏場はベーリング海に移動。

その秋11月が過ぎると暖かいアラスカ湾に行き、夏場になると再びベーリング海に戻り、卵から4年経った9月から12月に日本のふるさとの川に帰って来るのだ。

それも、2年ぐらいで戻るサケも居れば8年も掛かる鮭も居るらしいのだが、泳いでも泳いでも大海原を泳いで、稚魚で放たれた川に、どの様にして戻れるのだろうか? 

「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」日本でも、標識などを見るか道を教えてもらわなければ国内を巡って戻ることが難しい-のに。

 生まれた川の匂いを覚えているのだろうか? 回遊中の海原の匂いを全て覚えているのだろうか?

臭覚で記憶した匂いを数年間も維持し、嗅ぎ分けながら数千キロも泳いで戻れるのだろうか?

他に何らかのコンパスを持っているのだろうか?

 「アサギマダイラ」という蝶は、台湾から日本へ来て翌年台湾に戻ったことを調査の結果確認出来た-とのこと。

鳩の帰巣率が高いことから、伝書鳩として利用されたのだが、ではなぜ、数百キロも離れた場所から巣に戻れるのか?  それも、人間の手で数百キロも移動した上での帰巣なのだ。

例えばアイマスクをされ、数百キロも移動してから「自宅に戻れ」と言われても、他人に教えてもらうか標識などを見るしか人間には戻れる能力が無い。

 

 

毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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