ジョゼ・サラマーゴの「白い闇」

 オリンピック番組のしわ寄せで、NHKEテレ番組を見ていると、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サマラーゴが1998年に発表した「白い闇」についての対談をしていた。

 「世の中の人々が皆、ある日突然に目が見えなくなったとしたら・・・」と言う設定で、極限状態に於ける人間の理性と感情、個人の尊厳と公権力の冷酷さなどを余すところ無く描き切っている作品なのだ。

 街の交差点で信号待ちをしている車が3列在り、青信号になって2列の車は動き出したが、1列の最前列の車が発車しないため後続の人達が降りて最前列の運転手に、

「なぜ、発進しないのか?」

と問うと、「目が見えないんだ! 何故か判らないが、急に見えなくなってしまったんだ!」。

 一人が変わってその運転手の家まで送ったが、送り届けた者はその車を乗り逃げした。

失明した男性は日頃から視力を自慢していたので、失明のショックは大きかったが妻に連れられて眼科医に行くと、検査の結果、「異状は無い」と言う。

しかしその数時間後、眼科医も待合室に居た者も、車を盗んだ泥棒も、次々と失明してしまうのだが、眼科医の妻だけは何故か失明を免れるのだ。

 其処から色々と展開するのだが、新型コロナ、オミクロン株が吹き荒れる中でも、日本の「常識」は世界に必ずしも通用しないし、「常識」は一定では無い-のだ。

所謂「常識」は白い壁、「白い闇」なのだ。

 日本にもノーマライゼーションの考え方は在る。

知的障害者施設が在り、手話通訳が在り、段差にはスロープが在るが、男女の格差、労働者の権利はどうだろうか・・・ 「中島みゆき」に、重き荷を負わせていないだろうか・・・

 岸田氏も、ウロウロしていると1年でひっくり返されるよ。

毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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