四方山話(よもやまばなし)

 「日本の借金が1071兆円にもなった。 借金がここまで膨らんだのは、政府が赤字財政を続けているからで、特に社会保障関係費が74兆円にもなる。 その内医療費負担総額は15兆8525億円で国民1人当たり124,741円にもなり、年金支給総額は54兆円。 将来に付けを回さず、早く返して欲しい」  

 24日の読売新聞の編集手帳欄の記事から、こんな話題となったが記事は長州藩の撫育方制度のことで、藩の長年の借金が嵩み、正徳2年(1712年)には銀5万貫にも達し、藩士の俸禄を削り領民には更なる負担を求めて検地を行い4万石の増収となったものの、増収分を負債返済に回さず特別会計、即ち撫育方と言う事業団をつくり、米、塩、蝋、港湾事業をやらせて増収と蓄財を計らせた。

そのため領民や藩士たちに不満が募り、長年の幕藩体制への怒りとなって倒幕のうねりとなったのだ。 要は、高齢者が年金受給額の削減や医療費の自己負担額増額で国の負担額を削減しないと借金が増えるので、削減に協力してくれ-との意見なのだ。

 一般家庭なら、確かに日常生活費を削減して、(他人から借りた)借金返済を優先する考え方が在ろう。 だが、日本国の場合は違うのだ。

例えば今年の歳入額(97兆4,547億円)だが、その35%(34兆3,698億円)は公債金(借金)なのだが、国債の保有者の94%は日本の金融機関と日銀であり、その金融機関の資金も国民の預金等なのだ。  金融機関は預かった国民からの金に対して利息を支払うために運用しなければならない。 その運用先の一つが国債だ。

 即ち、生活費に余裕のある国民の金が金融機関を通して国の予算となり、余裕の無い人も含めた生活費用(医療費や教育、介護費用など)に再配分されるのだ。 再配分のコスト(利息など)も税(国民)負担だ。 問題が在るとすれば、国債の利子だが、日本のGDPは世界第3位であり、1700兆円以上の貯蓄と世界最大の債権国で在る日本は、当面信用と安定が揺らぐ要素は無いので、日本経済に於いて「円」を流動させるために「借金」が必要なのだ。

 

毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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