見て見ぬ振り

 五郎兵衛米を孫の処に持って行った。  小学3年の孫の帰宅は16:00頃と聞いていたが、下校時間前に着いたのでやはり不在だった。 やがて、ランドセルを背負った孫が帰って来たが、急いで下校したらしく額に汗を流していた。  

「うがいと手洗いしてね! そしたら買い物に行こうか!」

僕らが来る日を、孫は待っているのだ。 今日は、近所のコンビニエンスストアだった。

 昨日はウオーキングが出来なかったので、帰宅し20:30頃ウオーキングに出た。

1㎞位行った建売団地を歩いていると、「ひるま」と言う居酒屋の前に人のような物体が見えた。

居酒屋は戸が閉まっていて明かりも無く、近付くとやはり人だったので声を掛けてみた。

「大丈夫ですか?・・・」 一見して80歳位の女性のようだったが、もう一度声を掛けると身体が動いた。  「ケガをしたんですか? それとも病気で・・・? 救急車を呼びましょうか?」

小雨が降っている午後の9時頃のこと。 しかも、頭を道路側にしてうつ伏せに横たわっている老婆。 「このお店の人ですか?」と聞いても、声を発しない。

普段は携行する携帯電話を偶々持たずに出て来たので、近くの玄関先に照明灯が在る家のブザーを鳴らしたが反応が無く思案していると、空き地に車が止まった。

「すみません! そこの店の前に人が横たわっているのが見えますか?・・・ 僕はウオーキング中で、携帯を持ち合わせていないのですが・・・、救急車を呼んでいただけますか?」

車から降りて来た若者は、直ぐに携帯で電話を入れてくれた。

すると、それまで閉まっていたお店「ひるま」の2階の窓が開いたので声を掛けた。

「ひるまさん? 今ここに人が倒れているので、救急車を呼んだのですけど・・・」と言うと、倒れていた女性が言った。「ヒルマです・・・」

 やがて救急車のサイレンが聞こえて来たが、2回の男性も店の前に出て来た。

「飲みに行くって出掛けたんですけど・・・しょうがないなァ・・・」

救急車が到着すると同時に、僕はその場を離れた。 酔っ払いのために読んだのでは無いが、気恥ずかしかったし、それでも、あのまま放置していれば、頭を道路側にしていたので、車に轢かれたかも知れないし・・・ 無駄なことをしてしまったのだろうか-

毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

0コメント

  • 1000 / 1000