32年前の8月12日

 あれは夕方だった。  

「524人が乗った日航機が相模湾上空で自制不能となり、群馬県と長野県境の山に衝突した」

と言うニュースが、画面に表示された。

群馬県多野郡上野村楢原中ノ沢は連れ合いのふるさとだ。 だから、あの日も家族で墓参りに行っていたのだが、事故の遭った翌日は、中ノ沢で酒・タバコ、食料品などを販売する唯一の(堀川)五郎さんちに在った「食べられるもの」がすっかり売り切れ、「たべられるもの」は何も無かった。

従兄弟の(堀川)タカシ君やミツノリ君達は、当日の夜から総出で現場への自衛隊員を誘導した-と自慢話。

それから毎年の墓参りは、上野村までの道路が渋滞とは言えないまでも混んでいた。

しばらくして、道中の道路が改修されるようになり、途中のトンネルの上に「慰霊の園」が出来て塔が立ち、役場の裏の神流川(かんながわ)では灯篭流しが始まった。

 ところで、田圃を散策すると、もう赤とんぼが飛んでいるのだ。

「赤とんぼ」と言うと、一般的には秋空に飛ぶ「アキアカネ」を言うが、今でも赤とんぼは飛んでいるのだ。  正確に言うと、「ナツアカネ」なのだ。

「ナツアカネ」のオスは真っ赤なので、「アキアカネ」と混同し易いが異種なのだ。

赤色は、先祖を弔うのに似合う。






毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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