僕は50歳代の頃、秋田市内で2年間損害保険会社で勤務した経験からの「秋田」の印象は(?)と問われれば、第1に「正直で真面目な人が多い」第2には「人口が少なく、県民所得が低い」。
故に、「給与は同じで仕事量が少ない」生活だったので、2年間で秋田を充分楽しめた-のだ。
だから、横手の冬は「かまくら」で、隣の大曲(現大仙市)では「花火」、湯沢では「七夕祭り」、
それにリンゴや西瓜、うどん、お酒更には西馬音内盆踊り、ゴルフ等々県外からの観光客にとっては魅力が多かったのだが、秋田県の平均所得は全国平均に比して80%程度なのだ。
大きな企業も無く、地政学的にも日本海側の北の端。 昔から出稼ぎで一家を支えて来た地域社会。
湯沢で遇った若い女性も、「高卒でも、県内では就職先がパチンコ店位しか無い」と言っていたことを思い出す。
その秋田県横手市で、アパートが全焼し5人の死者が出た-と言うニュースが在った。
どこにでも在るニュースなのだが、当のアパートは築48年で20代から70代までの独身男性24人が6畳1間に住み、多くの入居者は生活保護者、年金受給者と精神科に通う患者だっただったのだ。
いわゆる生活弱者なのだが、秋田の中の生活弱者なのだ。
一家のために若いときから「出稼ぎ」に出て、故に年金も無く、歳を取って故郷に戻ってみたが奥さんが居ても生活保護では夫婦としては暮らせていけないし息子や娘が居ても都会に出てしまう秋田。 だから、この被災した様なアパート暮らしは「普通の健康な秋田の老人」なのだ。
熟睡していた午前0時50分ごろに木造アパートが出火。 消火器は既定の本数以上が設置してあった-どころでは無い。 気付いて逃げるのが精一杯だろう。
火災原因を調査中だそうだが、このようなケースは全国的なことだろうか?
真面目に正直に家族のために頑張って来たことは、世間的には認める話でが世の中はそれを認めないのだ。 皆が頑張っている中で、秋田の人を特別扱いすることは無いのだ。
国という仕組みに頼るのでは無く、地域で、地域社会で10年でも数十年でもレベルを上げて行くことに集中して行かなければ解決されないのだろう。
横手生まれの知人によれば中学生の頃、「君たちは何れ都会に出て行くだろう。 しかし、君たちの教育費は秋田の人たちの税金で賄われているのだ。 だから、都会に出ても秋田のために-を忘れないように」と言われたらしい。
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