愚公山を移す

 今朝の読売新聞4ページ「政なび」に、「日本の信頼 山を移すか」の記事が在った。

北方領土返還問題で、今、日本が取り組んでいる経済協力は、プーチンの戦略にハマったもので効果は無い-とする声が在るが、中国の故事「愚公、山を移す」を思い出した-と、森藤記者の記事が在った。

 故事の意味は「努力すれば、どんな難事業でも成功する」だが、

太行山(山西省、河南省、河北省に跨る山脈)と王屋山に囲まれた地に住んでいた愚公と言う老人が家族に対して、「わしはお前たちと力を合わせ、険しい山を削って平らにし、都に行く道を作りたい」と言うと皆が賛成し岩山を砕き始めた。

それを知った隣人が、「愚かなことだ」と嘲笑したが、

「例えわしが死んでも、子供が居る。 子供には孫が出来、孫は子供を産む。 子々孫々絶えることは無い。 しかし、山は増えることは無い。 故に、平らに出来ないことがあろうか?」と問うと、隣人は返す言葉が無かった-中国戦国時代の典籍「列子」の逸話。

 北方領土は、日ソ中立条約(有事の際、互い中立で、侵略行為をしない)が在ったにも拘らず、無条件降伏後に、ソ連が侵攻した-との日本の主張に対し、現在のロシアは、

「中立条約を先に破ったのは日本だ」と主張。

即ち、第二次世界大戦時、ドイツとソ連がもめているとき、日独伊三国同盟に基づいて日本が満州で演習と称して軍事行動をしたため、ソ連は満州付近に釘付けされた-

 昨年、ビザなし交流で国後島、色丹島を訪れた記者は、日本が派遣した医師へ熱烈に感謝するロシア住民を何度も目撃し、中国産の野菜を食べている女性から、「日本の製品が入ってくれば嬉しい」との声。

歴代政権が少しずつ積み上げて来た信頼関係が、遠くない将来、「山を動かす」原動力になると信じたい-とくくる。

日本人-新たな日本を築き示すこと。 難しく装うことも無く、一時の損得に動じない国づくり。

前文科事務次官に踊るような戯けでは、政治は出来ない。

毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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