韓国とフランスの大統領

 結果的には予測道理に選ばれたのだが、共に大きな問題を抱えての大統領となった。

先ずはフランスだが、予備選挙が始まる前の予測では、イギリスのEU離脱と極右政党・国民戦線党首ル・ペンと現職のオランド大統領が所属する中道・右派、元首相のフィヨンの争いと見られていたが、フィヨン自身の人気の無さと選挙直前に起きたフィヨン夫人の給与不正疑惑で1回目の選挙ではフィヨンの得票率は20.01%で、1位は24.01%の若いマクロンだった。

2位がル・ペンの21.3%で誰も50%を超えなかったため、1,2位の決選投票となり、反EUのル・ペンを嫌ったフランス国民の良識が勝利したのだが、ル・ペンを指示した若者への対策、安定した政治を行う上の議会議員の獲得、EUのリーダーとしての役割等々、5年の任期内では目途が立たない問題が在る。

しかし、予測外の能力と若さに期待したい。

 一方の韓国。 初代大統領となった李承晩次代を「第1共和国」時代と言い、政敵や反政府勢力を弾圧し、権威主義を通して来た李承晩を学生たちが「4月革命」で追い落としたが、その学生たちの南北統一運動を軍のクーデターで「第3共和国」の朴正熙大統領が誕生。 反対派への弾圧、強権政治となるも産業インフラへの投資を進め「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げ、自身の出身地である慶尚道を優遇し全羅道を冷遇したため地域対立を生んだ。 その朴正熙が暗殺され「ソウルの春」かと思われたが、やはり軍部の全斗煥が大統領となった。

 文民政権は1990年。 1997年に誕生した金大中大統領時代は自由化、民主化が本格化し、対北朝鮮政策も「太陽政策」の下、南北融和が進んだ。 しかし、李明博政権、朴槿恵政権になって慶尚道優遇が続き、国民の経済格差が拡がった。

 その中で生まれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮生まれ。 朴正熙政権時代に学生運動に参加し、「親日と独裁が受け継がれ、常に韓国社会の主流になりすまして来た偽保守の時代は終わらせなければならない」と訴え、金大中の「太陽政策」を推進した人物だが、職に付けば、バランスを採らざるを得ないだろうし、北朝鮮問題は対立だけでは解決出来ないだろう。


毛呂古酒's Ownd : 閑話休題

世間的には後期高齢者と言われるが、今暫く閻魔様にはお茶でも飲んでいただけるよう頑張ってみようかな?

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