昨日、散歩中の河川敷でハグロトンボを見つけたので、「山富貴」でも見れるだろうとホールに行くと、壁ガラス越しに2匹のハグロ(トンボ)が、ゆったりと羽ばたいていた。
で、いつものテーブルに着き新聞を読み始めると、間も無く盆が運ばれて来た。
「今日は『二色盛』です」
久し振りの「茶そば」と「更科」の盛り合わせ蕎麦で、付け足しは「マグロのズケ」で、食べながら(読売)新聞に目をやると、「編集手帳」に目が留まった。
名古屋場所の千秋楽戦、立ち合い時の白鵬関の「かち上げ」についての評で、
「・・・大相撲では、相撲の取り方を『取り口』と言う。 味わうものだからだろうか。・・・千秋楽、白鵬が照ノ富士を制した一番に、苦い味を口に覚えた。 数十秒の迫力あるにらみ合いの末、白鵬はいきなり『かち上げ』を見舞わせた。肘を相手のあごにぶつける乱暴な技である。 反則技では無いし、ルールの範囲で横綱が強さを示したことは解かる。
とは言え、番付最上位の横綱が期待通りに全勝で千秋楽を迎え、優勝を決めると言う滅多に無い大一番だっただけに苦味が強い。 ナゾも残った。 『かち上げ』が無かったら、どちらが勝っただろう?
品格の伴わない強さを認めないのが、大相撲の伝統だろうし・・・苦言を呈するのも来場所の期待故である・・・」
陽明学者の安岡正篤(まさひろ)は、横綱になる前の、飛ぶ鳥を落とす勢いの双葉山に或る宴席で、「君はまだまだ(未熟)だなあ・・・」と言うと、「何処が足りないのでしょうか?」と聞いて来た。 すると安岡は、荘子や列子に在る「木鶏」のエピソードを語り、
「君は確かに強い。 だが、(君は)未だその境地に至っていない・・・」
安岡は、昭和14年1月場所4日目。 平幕の安芸ノ海に敗れた双葉山は、安岡に電報を打った。 「イマダモクケイ二オヨバズ」
2010年の九州場所、63連勝で稀勢の里に敗れた白鵬は、ポツリと
「未だ、木鶏に足り得ず・・・かナ」
「横綱」としての昇進基準は無く、近年「二場所連続優勝」とされるが、日本相撲協会からの諮問を受けて「昇進前3場所の成績」横綱で審議委員会が審議するが形式的だ。
振り返れば、あの朝青龍時代に横綱となった白鵬は、「悪役(朝青龍)」に対する「正義」だった。
何れにしても、モンゴル相撲に「品格」は無い。
言葉としては理解している白鵬に「品格」を求めるのでは無く、興業化している協会と評価に値しない横審を責めるべきだ。
それにしても、39才の誕生日を飾ってくれたチームのメンバーに、どれ程上野選手は喜びを表せただろう・・・
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